エンジンオイル交換の方法には、オイルパンのドレンからオイルを排出する「下抜き」と言われる従来の方法と、フルードエキストラクターという道具を使用してエンジンの上方からオイルを吸引する「上抜き」の2つがあります。下抜きは少ない道具で出来るスタンダードな方法で、上抜きは特殊な機械を使うことでジャッキアップの必要が無く手軽に出来る方法です。
ここでは下抜きの手順とやり方をご説明したいと思います。
まずはクルマをジャッキアップします。ジャッキアップしたあとは、タイヤなどをクルマの下に入れて、万が一ジャッキやうまがはずれたときのために備えます。
クルマの下にもぐり、オイルパンの下に廃油処理箱などを置き、排出用のドレンプラグをレンチで緩めます。緩めたあとは手でドレンプラグを回してゆき、ネジ山が終わったところでドレンプラグを素早く離します。勢いよくオイルが排出されるので床にこぼさないように注意が必要です。オイルが出きったらドレンプラグを締め、ブレーキクリーナーなどで周囲を洗浄しておきます。
ドレインプラグにはオイルの漏れを防止するパッキンとして、ドレインワッシャーと呼ばれる平べったいリンク上の部品が付いています。オイル交換時には新品に交換することが推奨されていますが、再利用する場合には取り外しのときにオイル内になくしたりせず、ドレインプラグと一緒に忘れずに取り付けましょう。
注入口のフィラキャップをはずし、新しいエンジンオイルをオイルジョッキで規定量注入します。規定量はクルマによって決まっており、取扱説明書などに記載されていますが、古いエンジンオイルが排出しきれずに多少残っている場合が多く、実際の注入量は規定量よりも少なくなりますので、オイルレベルゲージを確認しながら調整します。注入が終わればオイルフィラーキャップを締めます。
おおまかに分ければ以上3つの手順だけですが、慣れないと廃油処理箱の位置が悪くてオイルをこぼしてしまったり、ドレンプラグを締めないまま新しいエンジンオイルを注入してしまったり、というトラブルがときどきありますので、手順を守って慎重に行うのがよいでしょう。